おしらせ
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★2010/11/18(木)橙色のちいさな日々。
先日、大家さんが「これを飲んだらいいよ」とちいさなカプセルを渡してくれた。突然なんだろうと思って眺めていると「抜け毛にきくよ」と大家さんは言った。
大家さんはときどき、わたしの部屋を掃除してくれる(頼んでいないのだけど、してくれる。でも、わたしの経験から、信頼できる大家さんであれば、部屋には定期的に入ってもらった方がいい。部屋の問題や故障を発見してくれるから)。だから、わたしの抜け毛の変化に、誰よりもはやく気づいてくれたのだ。いままで、愛犬の抜け毛を気にすることはあっても、自分の抜け毛を気にされることはなかった。
先月から、本当に抜け毛がひどい。「どうしてだろう」とわたしが言うと「歳をとっただけよ」と大家さんはあっさりと言う。大家さんも、わたしと同じ歳くらいの時、抜け毛がひどかったらしい。そしてこの薬を飲んだら、ましになったらしいのだ。薬屋では売ってないらしく、大家さんも定期的に病院に行ってもらってるという。「もし飲むんだったら、もらってきてあげる」。かなり迷ったけど、頼むことにした。
二日後、大家さんは言ったとおり、買ってきてくれた。薬(といっても韓国製のサプリメントみたいだ)一ヶ月半分(260,000ドン)、ドイツ製の頭皮スプレー(86,000ドン)、病院の行き帰りのセーオム代(30,000ドン)。合計376,000ドンだったけど「380,000ドンね」と、大家さんは、からっと請求した(ちなみに、380,000ドンは約1600円だ。ずっと円高で10,000ドンが約42円くらいなのだ)。
それからは、朝おきて、おはよう、とあいさつする日々が始まった。橙色のやわらかいサプリメントはなにも答えてくれないけれど、効果があるのかどうかもまだ分からないけれど、いちおう今のところ続いている。いちにち二錠。大き目のカプセル。飲みこむのに、小さないきおいが必要だけど、オブラートは、あまい味と匂いがする。
今日はすこしひんやりとした。ザボンがそこらじゅうで売られはじめた。
★2010/11/10(水)カエリミチ
ベトナム語で書いてみた。間違いがないのは(あるかもしれないけれど)、先生に見てもらったからだ。
▼ Ngày 10 Tháng 11 năm 2010 (thứ 4) Trên Đường Về
Hôm nay trời hanh khô, ít mây ít gió, rất là mùa thu. Nhưng vẫn nắng đẹp, đối với tôi thì thấy hơi nóng. Tôi thích trời rét rồi, cho nên đang chờ gió mùa.
Chiều nay tôi đã đi một quán bánh mỳ nho nhỏ. Cô chủ quán ấy trông mập mạp. Tôi hơi sờ sợ vì cô ấy hút thuốc lá và có vẻ đăm chiêu. Thỉnh thoảng cô nhìn đểu tôi. Nhưng tôi quyết tâm mua bánh mỳ ở đấy vì đói quá.
Tôi gọi "Chị ơi, cho em một cái bánh mỳ trứng và một cốc trà đá nhé". Cô vâng lời và hỏi "Ùh, có ăn hành không?". Tôi gật đầu. Cô vừa hút thuốc lá vừa làm bánh mỳ. Chú chủ quán trà bên cạnh quán bánh mỳ mang trà đá cho tôi.
Đối diện quán bánh mỳ đó có một quán phở. Tôi tính tình tò mò thức ăn, cho nên muốn biết quán phở này có ngon hay không? Tôi hỏi cô "Quán phở kia có ngon không hả chị?". Cô im lặng một lúc rồi trả lời "Được". Thế nhưng, chú chủ quán trà đá trả lời luôn "phở Tình bờ hồ ngon hơn". Tôi hỏi tiếp "Ở đâu hả chú?", "Gần đây thôi", "Thế bao nhiêu tiền một bát ạ?", "Khoảng 25,000đ-30,000đ vậy". Tôi vừa ăn bánh mỳ vừa cảm thấy "Hơi đắt nhỉ?".
Nhìn tôi, cô chủ quán mỉm cười một chút và nói "Tiền nào của ấy". Tôi không dịch được câu tục ngữ này sang tiếng Nhật, nhưng hiểu rõ nghĩa. "Tôi quyết tâm đi. 30,000đ cũng được!" Tôi thì thầm trong long.
Buổi tối tôi gặp bạn. Cùng đi ăn xôi xéo ở phố La Thành và uống cà phê ở phố Giảng Võ. Hai chúng tôi lâu rồi không gặp mà vẫn hoàn toàn giống như trước. Nói chuyên linh tinh về công việc, trao đổi tin tức của các bạn khác, kể kế hoạch tương lai... Vừa nói thật vừa nói đùa, lúc nói tốt lúc nói xấu.
Nếu một trong hai chúng tôi về nước hẳn thì có lẽ mãi mãi không gặp được như thế này. Người còn lại chỉ sống ở đây thôi.
Trên đường về tôi cảm thấy hơi sợ. Tôi có thể dần dần quên những kỷ ức nhỏ như tối nay. Và tôi lo sợ mình sẽ quên những ngày tháng đáng nhớ ở Hà Nội nếu đến ngày tôi phải rời xa Hà Nội hẳn.
★2010/11/05 パクさん(4)
市場から歩いて五分。想像したよりもそこのニャーマイ(45, Ngô Thì Nhậm)は新しい感じだった。市場で売り子さんが「だいたい仕立代は200,000〜300,000ドン」と教えてくれたから、最初に仕立代を聞くのを忘れたまま、デザインの相談を始めた。採寸して、飾りに使うリボン(紐)まで決めた後に、仕立代は600,000ドンと聞かされる。
パクさんはちょっと驚きながら値段交渉したけれど、30代後半くらいのオーナーは「không thích thì thôi」(「好きじゃないならやめれば」)と言って強気で、その態度はとてもパクさんが嫌がるものだった。わたしだったら、もうここでいっか、って思う。でもパクさんは「じゃあいい」と言って、店を去った。
パクさんが周りの韓国人に聞いたところによると、スーツの仕立代は、だいたい250,000~300,000ドンというのが相場なのだそうだ。パクさんは歩きながら「仕立はきれいかもしれない。でも、出来るまでそれは分からない。分からないのに、倍も払えない」と言った。かっこいい。
ホム市場の近くを歩きながら、留学する前年、初めてハノイに来たときに入った、ある店を思い出した。わたしは東西南北がわかっていないけれど、場所を覚えるのは得意な方で、迷うことはあまりない。あっちの方、とか、こっちの方、とか、もうちょっと向こうの方、とかいう感じで、着けてしまう。こういうとき、自分を野生動物っぽく感じる。
今回も、三年以上前に行ったお店を思い出して、ぶじに着けた。仕立が上手だった印象はないけれど、安かったのは覚えている。オーナーはいなかったけど、感じのいい素朴な女の子が二人いた。相談すると、裏地ぬきだと250,000ドン。裏地付きだと300,000ドンといった。パクさんは同意した。一週間後の金曜日、とりにくることにした(11, Phùng Khắc Khoan)。帰り、ミーディンまで送っていった。
夜は、bánh mỳ giò(12,000ドン)を食べる。きゅうりをいれてもらう。22時ころ、大家さんが部屋に入ってきて、ベッドの上の洗濯物をたんすにしまいなさいと言った。ちゃんとたたんでいるし、いろいろ置いていたほうが楽しいから、わざとしてたのだけど…。でも、大家さんにはお世話になっているから、言うことをきいた。東急ハンズで買ったバスタオルとか、ユニクロで買った、さらさらのTシャツとか、マリーゴールド色のタイツとか、ちいさい縞々の靴下とかを、洋服だんすに、しまった。
ベッドの上が、がらんとした。
★2010/11/05 パクさん(3)
ホム市場に行く。バイクの駐輪代5,000ドン。平日の昼は空いているから、歩きやすい。その代わり、売り子さんにどんどん声をかけられる。
いいなと思った生地を置いていて、売り子さんの感じがいいところで買うのがコツだと思う。パクさんは、黒とグレーの服をたくさん持っているから、ピンクかグリーンかネイビーの生地を探す。わたしは、たくさん、うろうろして、パクさんの生地を探したかった。「よしっ。いくぞっ」とわたしが鞄をかかえて気合いをいれると、パクさんは、ある生地を見つけて、すでに買い物が終わろうとしていた。
伸縮性のあるミッドナイトブルーのコットン。長さ1m(幅1.8m)140,000ドンと言われる。ツーピースの服を作るには、2.5m必要で、合計350,000ドンと言われる。パクさんが交渉したら、320,000ドンになった。たぶんここで「ふん、じゃあいい」と立ちあがり、他の店に行くふりをしたら「待って。300,000ドンにする」と言われる可能性もある。でも韓国も日本と同じで値段交渉する習慣がないから、パクさんも未だに苦手らしく、ちょっと不機嫌な顔で、320,000ドンを払っていた(ちなみに最近ほんとうに円高で、10,000ドンが40円くらいだ。留学を始めたころは70円くらいだった気がするのだけど…)。
パクさんは真面目で繊細で、秩序が好きだ。わたしは逆だから、その辺りの差はあるけれど、個人をこえたところで「韓国人のパクさん」を感じるときがある。
例えば、テキストがつまらないと「không hay(おもしろくない)」と先生に言うところ、気持ちの動きがそのまま外に出るところ、愛想笑いをしないところ。また、軍隊に行っているという一人息子さんの話をきくとき、朝からキムチの匂いがするとき、「金相場」の話を真剣にするときなんかにも、ちょっと「ハンクオック(韓国)」を感じる。その他には、ベトナムの人のように「日本製」に魅力を感じていないところとか(SAMSUNGやLGといった安くても質のいいメーカーが韓国にあるからだと思う)、「さしみやお寿司が好き」と言うところとか(こちらのベトナム人はあまり言わない)、パクさんの家に「キムチ専用の冷蔵庫がある」と聞いたときなんかにも、「ハンクオック」を感じた。
中でも、いちばん感じたのは「金属製の箸が一番いい」と聞いたときだった。「丈夫だし煮沸もできるし、とても衛生的だから」なのだそうだ。韓国の人が金属製の箸を好むには、歴史的・地理的なことが関係しているのだろうと思う。でもというか、だからというか、その瞬間、ざっぶーん、と波の音が、耳のなかで鳴って、アッシュグレイの荒涼とした日本海がわたしの目の前にひろがった。近いと言っても、自分では決して漕いでいけない、その海のへだたりを感じた。箸は木製がいいよう、と、叫んだとき(こころの中で)、自分に「ニャットバン(日本)」を感じた。
パクさんが生地をかった店のオーナーは、感じがよかったから、「いいニャーマイ(仕立屋)しらない?」と聞いたら、近くのニャーマイを教えてくれた。わたしが知っているニャーマイは旧市街で、ちょっと高い。パクさんに「どっちに行く?」と聞いたら「安ければ安いほうがいい」と言ったので、近くのニャーマイにむかう。
★2010/11/05 パクさん(2)
お昼は、韓国人のパクさんと一緒。今日は、有名なソイ屋さん(xôi Yến, 35b Nguyễn Hữu Huân)に行った。
ここには、三種類のソイ(おこわ)がある。普通に白い「Xôi Trắng(ソイチャン)」、ウコンで黄色く染まった「Xôi Xéo(ソイセオ)」、そして、トウモロコシが入った「Xôi Ngô(ソイゴー)」。最初にソイを選んで、次に、具を選ぶ。パクさんは、家の近くの市場で、ときどきソイを買って食べるらしいけれど、こんな風に具が選べないと言う。
そう。ここのお店の魅力は、具が豊富なことだ。トッピングを選ぶたびに「ぜんぶのせて!」って言いそうになる。パクさんは、白いソイに鶏、そしてコーラ、わたしは黄色いソイにゾー(ハム)、そして豆乳。パクさんは、ソイを食べているときも、今日の午前中に習った単語が思い出せないと言って、テキストをとりだしていた。
パクさんは、とても真面目だ。40代後半で、肌と指がきれいで、クリスチャンで、ミントの香りのような文字を書く。漢字も知っていて、すらすら書けないけれど、読めるみたいだ。たとえば授業中、「sở hữu」という単語の意味を先生から教えてもらったとき、わたしがテキストに「所有」と書き込んでいると、パクさんが隣からのぞいて「đúng đúng(あってるあってる)」と言う。
韓国語と日本語の発音が似ているときは、そのたびに、うれしい。授業中、「phản xạ」(ファンサ)という新しい言葉がでてきて、わたしが「反射…反射…?」と日本語でつぶやいていると、隣でパクさんが「ハンサッ、ハンサッ?」と韓国語で言っている。こうやって書くと、とてもありきたりなのだけど、でもどうしてだろう、あの瞬間は、いつも新鮮だ。
ベトナム語の間違い方が、似ているときも、ちょっとうれしい。韓国語と日本語は「SOV型」だけれど、ベトナム語(や英語や中国語)は「SVO型」だ。習いはじめたとき、パクさんとわたしは、目的語を先にもってきて、先生によく叱られた。また、修飾語と被修飾語の位置も、よく間違った。韓国語と日本語は「形容詞+名詞」の順だけれど、ベトナム語は「名詞+形容詞」なのだ。先生が、叱りながらも笑っていたのは、パクさんとわたしの語順の間違い方が、完璧に同じだったからだ。
発音や語順以外にも、日本人とちょっと似ているな、と感じるところがある。律儀なところ、清潔好きなところ、無秩序を嫌がるところ、ふわっと着こなすファッションを好むところ(ベトナム人は、ぴたっとした服を好む)。また、夏、パクさんが可動式UVカットフェイスバイザーを使っている姿を見たときも、あ、日本人と似てる、と思った。
ここのソイは、かなりボリュームがあるから、ひとり一皿で十分なのだけど、パクさんは「もう一皿食べよう」と言った。二人で三皿食べた。
ソイでいっぱいの身体を動かして、ホム市場に移動する。
★2010/11/02 パクさん(1)
レッスンが終わったとき、パクさんが「お昼いっしょに食べよう」と誘ってくれた。珍しいことだ。どこでもいいと言う。ベトナム料理が食べたいと言う。
パクさんは、ベトナム語を一緒に習っているソウル出身の韓国人だ。旦那さんがこちらで仕事を始めるためハノイに来たという。でもまだ準備段階?らしく、ビザをとるために、夫婦そろって大学に来ている(パクさんと旦那さんの語学力に差があって、違うクラスに通っている)。
パクさんは、ミーディン地区のマンションに住んでいる(ちなみにミーディンは、新興開発が進んでいる区域で、特に最近、韓国資本がたくさん参入している)。ミーディンはお洒落な建物が増えて便利になりつつあるけれど、ハノイの中心地からバイクで30分以上はかかる。だからパクさんは、旧市街(中心地)に出るのは、月に1回か2回なのだそうだ。
レーヴァンヒュー通り(おいしいフォー、ベトナム料理、カフェがあるので、けっこう有名な通り)も知らないと言うし、ホム市場も行ったことがないと言うし、服も作ったことがないと言う。「パクさん、ベトナムにきてどれくらいだったっけ」「二年すぎた」「毎日なにしてるの?」。わたしが言うと、パクさんは、きれいな歯をみせて、いひひ、と笑った。
バイクに乗っているあいだ、パクさんは、看板や道路標識をみては、ベトナム語を読みあげていた。フエ通りも知らなかったみたいだった。
お昼は「Quán Cơm Phố」(29 Lê Văn Hưu通り)に行く。タイ風に焼いた牛肉が、パクさんに好評だった。甘辛くすこし酸っぱく、食べやすい。その後、同じ通りにある、有名なカフェマイに行った。スタッフの少年が新しいメニューをやけに勧めるので、それを頼んだら、普通だった。カフェフラペチーノみたいな感じ(40000ドン)。お昼もカフェも、パクさんがごちそうしてくれた。その後、ミーディンまで送っていく。帰り道も、パクさんは、後ろでずっと呟いていた。
今週の金曜日、また一緒にお昼を食べて、ホム市場とニャーマイ(仕立て屋さん)を案内することになった。なんだか、日本人がハノイに旅行に来てくれたときと、一緒のきもち。
秋晴れの日。風のない日。バイクに乗りすぎておしりが痛かった日。
★2010/11/01 リエンとリーの家。あたたかいご飯。
昨日の昼、リエンとリーがお昼ご飯に呼んでくれた。
ふたりの朝ご飯(といってもレーズンパンとG7のコーヒー。二人は毎日、一生懸命働いていて、それなのに朝ご飯をあまり食べない。油断するとすぐ、がりがりになってしまう)を買って家に行く。
わたしの好きな魚の料理をたっぷり用意してくれていた。リーはお酒を漬けているらしく、少し飲ませてもらった。ちょっと苦かった。リーはお酒が飲めないのに、いつ飲むのだろうと思うのだけど、漬けるのが好きみたいだ。
お昼を食べて、三人でいっしょに昼寝をして(でもわたしは寝れなくて、ベッドの脇で雑用をしていた)、寝起きのおやつに茹でたタニシを食べた。
9月、わたしがリエンに渡した鉢植えを大事に育ててくれていた。リエンは、花や動物が好きだ。
二人の動いているところを見ていると、かいがいしい、という言葉がぴったりだ。私はここでは(どこでもだけど)まるきり役にたたず、ただただ眺めている。リエンとリーの旦那さんは幸せだろうな。
昨日も今日も晴れ。まろやかな晴れ。11月にはいった。
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