日本ベトナム友好協会大阪府連合会/Pi日記2011年10月

カラープリンターのトナーが切れて、サイゴンから取りよせた。

五時間かかって届いたカートリッジは、大きくて重たくて、きれいに梱包されていた。さすがキャノン。でもカラープリンターのトナーって高いんだ。知らなかった。1本300ドルくらい。使用済みカートリッジをリサイクルに出したいんだけど、どうすればいいんだろう。取りよせるのもけっこう大変だったし、はやめに手続きしとかないと。

きょうは女性の日。事務所から花束をもらった。突然で、お礼が言えなかった。自分の行動や心理でいやなことをあげればきりがないけれど、この照れるというのもそのなかのひとつで、照れてしまったあとは、後悔に似た気持ちがする。恥ずかしい自分は分かるけれど、照れた自分は、なんていうか、腹が立つ。でも不思議なことに人が照れているところを見るのは好ましいから、やっかいだ。

夜は、関係者と9人で飲み会。ハイネケンビール、持ち込んだウィスキー、豚（アヒルだったかな）の血のにこごり、イカの塩焼き、カエルの塩焼き、アヒルとタケノコの鍋。

カエルちゃん。身がすくないけれど、噛むごとに味がする。おいしいイカとおいしいトリのあいだみたい。1匹45,000ドン（10,000ドン＝37円くらい）。でもカエルちゃんの料理がいちばんおいしいのは、庄内の楽口福だ。店が閉まってしまったから、もう食べられないんだけど。

ベトナム人が集まると恋愛話になりやすい。今夜は「男性が結婚指輪をしているときと、していないときと、どっちが女性と遊べるか」という、よく分からない話題になった。そのとき酔っぱらった男性（きりっとした鼻で、彫りが深く、かっこいい）が突然、薬指にしている自分の指輪をはずして、隣の独身女性にはめようとした。

その女性は、本気で嫌そうな顔をした。「ゲークワー（さいてー）！！」と言って。わたしも「ゲークワー」と叫んでみる。まわりの人も叫んだ。みんな、笑っていた。

朝5時に起きる。空が青くて、きょうも晴れ。

屋台で売られているバインホーイを買った。豚の内臓といっしょに食べるのが一般的らしいけれど、断って、ゾーと卵を入れてもらう。ひとパック、15,000ドン（約55円？）。

さいきんもどんどん円高だ。100円が27,000ドンくらい。でも、ドルでお給料をもらっているから（生活はベトナムドン）、日本円に換算することがあまりなくなった。

ベトナムのお札は、市場の匂いがする。ファンティエットのお札（特に1,000ドン札や5,000ドン札）は、それにくわえて魚やヌックマムの匂いが、加わっている。気がする。

日本円のお札が、恋しい。

以前から気になっているお店なのだけど、いつ開いているのか分からなくて、なかなか行けない。さいきんファンティエットで知り合ったKさんも勧めてくれたお店。

バインホーイは網状になったやわらかい麺で、ファンティエットに来たときホテルの朝食でかならず食べていた。ちいさな網状だから付けだれがいい具合で、絡んでくれる。

さいきん雨が減った。晴れる日が多くなった。洗濯物がふわふわよく乾く。

もしかしたら来月、ファンティエットに友だち（といってもずいぶん年下なのだけど）が遊びにきてくれるかもしれない。

奇妙に魅力的な彼女たちと、どこに行こう。

先日、事務所でセーダップ（自転車）を買うことになって、市場のちかくの自転車屋さんに行った。

買い物するときに、いちばん大変なのはVAT（税金）をとってもらうことだ。こちらは払いたいと言っているのに、とれない、とりたくない、と言う。スーパーや大きなお店なら問題ないのだけど、個人商店になると、すごーく大変。

今回も、一度目に入ったところが「VATの入った領収書が出せる！」って約束してくれたから、そこで買ったのに、結局、その用意ができなかったらしくて、三日後、お金を返してもらった。二度目（一度目の自転車屋さんの真向かい）のところも渋っていたけれど、なんとかぶじに、銀色のセーダップを買えた。約2,000,000ドン（約100ドル）。

領収書を見ると、なんだかあやしいけれど、もう考えないことにした。

それよりも、となりにあったセーダップが素敵だった。あざやかな若草色。こちらでは自転車のふたり乗りは合法。後ろに乗る人のことを考えたクッションや足置き場などがある。

ふたり乗りが合法なのに、自転車の質は良くなくて、タイヤも弱い。いつかハノイで二人乗りをしたとき、すぐにパンクをした。派手な音とともに。

ダップ、セーダップ。
ダップダップ、セーダップ。

よいしょよいしょ。