おしらせ
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*2012/04/11* 光
ここにきて幻想的だと感じたのは、幾重にもかさなってきこえる波の音でも、潮の匂いがなまなましい海の風でも、お金や安定に全く興味がなくそれでも絶対に幸せになれると信じきっている南部男性でもなく、夜のピタヤ畑の光だった。
サイゴン駅を夕方に出発する列車に乗ると、ファンティエットに22時すぎころに着く。窓から、夜のピタヤ畑の光を見ることができる。
ピタヤを育てる過程のなかで、光を灯す時期がある。夜から朝方にかけて、成長を促すために。
夜、畑に入りこむと、堆肥の匂いや、虫の気配や、不気味な風の音がして、幻想的だと感じることはないけれど、でも列車の窓からみるそれは、とてもいい。
駅に近づくと列車の速度が落ちる。ピタヤの畑がひろがりはじめて、闇のなかに、ちいさな光が、いくつも、いくつも、灯される。
昼はファンティエットの強い光を、夜は裸電球のやわらかな光を浴びて、ピタヤは育つ。甘く、みずみずしく、愛らしく。
だれかの暑い午後や、ほてった身体や、人生の一瞬やなんかを、ささやかにうるわすために。
*2012/04/06* 赤ピタヤ
ビントゥアン省はドラゴンフルーツの名産地だ。生産量は国内一だったと思う。
サボテン科の一種で、その果実をドラゴンフルーツ、またはピタヤ、ベトナム語ではタインロン(Thanh Long)と呼ばれていて、でもこの果実には、ピタヤという響きがよく似合っている気がする。
はじめて食べたのは、沖縄の名護市だった。「本土にはないさーね」と言って、皮をむいて、白ピタヤを出してもらったのを覚えている。
果実の色は、白と赤(その他に黄色やピンクもあるけれどあまり普及していない)。白ピタヤはさっぱりして、赤ピタヤはそれよりも甘い。
わたし、赤のほうが好きだ。
表面の突起物も、紫に似た真っ赤な色も、種も、かわいくてキュートでちょっと不思議で、でも、赤い果汁が服につくととれないところや、夜に花をさかせるところは、なんていうか、ちょっとあなどれない感じ。
それを実らすサボテンなんて、おばけのようで、昼でも不気味で、宮崎駿のアニメにでてきそうな出で立ちだ。