おしらせ
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*2012/06/09* Vào Sài Gòn đột xuất Ⅱ
新しい席に座れた。カーテンや座席のイスがちぎれたり縫い合わせてあったりするけれど、こちらの方が涼しくて気持ちがよい。
出発してから一時間くらいはピタヤの畑のなかを走る。写真にうつっているのは上品なもので、なかには竜巻のあとか?という風に激しく乱れたものがある(でも乱れた形のまま動かない)。夜に会うと、食べられてしまいそうだ。
突然、あの女性の車掌さんが、わたしの前の座席(誰も座っていなかった)にどすんと座った。ベトナムは、料金を払う人と払われる人のあいだに国境がない。
日本はお客さんを大切にするけれど、こちらは逆だったりする。払われる側が「そんなに嫌なら他にいけば?ふんっ」といった態度でもやっていける(なぜだろう。それは見えないところでお金がたくさん動いているからです)。
彼女はどうやら休憩時間らしい。ポケットからお金を出して数えている。そして携帯電話をとりだして誰かと話し出す。「くつくつ」とか「ひひひ」とかいった笑い声。
声にまで、ベトナムドンの模様がついている。
彼女はもしかしたら、こうやって集めたお金を、サイゴンで家族に渡しているのかもしれない。友だちにぱーっと振る舞っているのかもしれない。後ろの座席で、ベトナムドン色の笑い声を聞きながら、そう思うことにした。
しばらくすると雨が降ってくる。
*2012/06/09* Vào Sài Gòn đột xuất.
家から新しいファンティエット駅までタクシーで約8万ドン。ファンティエットからサイゴンのチケットは12万5000ドン(約500円)。
指定席。
全席指定席。
全席指定のこの列車に、でも指定席はない。チケットに席番号が記されていても個人の意志はそれをはるかに上回る。
もう驚かないけれど、他に席もないから車掌さんらしき女性にチケットを渡す。
車掌さんが指定席に座っていない人にむかって「指定された席にすわって!」と無愛想に言う。わたしの席に座っているのは、おばあさん。その周りはその家族。総勢8人ほど。とまどうその家族の視線を受けながら、それでも、おばあさんが席を替わってくれるのを待つ。
隣で若い旦那さんらしき人が「外国人だからな、仕方ない」と言っている。旦那さん、違います。指定席だから仕方ないんです。
わたしも他の車両をあるいて席をさがして臨機応変にどさっと座りたい。でも指定された以外の席に座ることは自分にとって本当に難しいことなんです。
無事、席に座れる。定刻ぴったりに出発(すばらしい…)。ピタヤの畑のなかをくぐりぬけ、がたごとがたごと列車がすすむ。
小説を読もうと思って開く。まわりの家族がうるさくて、集中できない。いつも持ってるはずのiPodを忘れている。
ベトナムの人は声が大きいと言われるけれど、それは本当だと思う。話す場所を選ばない。車両の一番後ろでドアの開け閉めの音も響くし、さすがのわたしも、これはだめだと思い、女性の車掌さんを探しに長い列車を横断する。見つけて腕をつかんで「席かわってもいい?」と言うと「お金いるよ」と言う。はいはいとうなづく。列車と列車の間になったとたん「5万ドン」と言って手をだす。人がいないところを選んだんだ。これはきっとそのまま車掌さんのポケットの中に入ることになる。
5時間の旅だし、5万ドンで言い合いする力もなく、まばたきで同意する。
車掌さんはお腹がぽっこりと出ていた。それは妊娠の出方ではない。下腹部が張るように出ているのではなく、上の段と下の段が、きちんとぽっこりでている。
なんとなく、そこについているはずの脂肪に、ベトナムドンの模様がはいっているように見えてくる。
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